建物の「器」と呼ばれる型枠工事。
建物を作る上でとても大切な工程ですが、実際どんなことをしているかご紹介します。

Formwork Construction

鉄筋コンクリート造などの建築物を建てる際、やわらかいコンクリートを流し込むための枠をつくることを型枠工事といい、その仕事に従事する大工のことを型枠施工技能士といいます。
型枠大工・解体工・墨出し工など、優れた技能を持ち、業務を取り仕切る技術者である型枠基幹技能者の仕事内容をご紹介します。

コンクリート造の建築物を作る際は、型枠と呼ばれる器がまず組み立てられ、そこにやわらかいコンクリートが流し込みます。
その型枠を作る作業のことを、型枠工事といいます。

ただ現場でパーツを組み立てるだけではなく、用意された施工図面を見て、外壁や柱、梁、床など形状や寸法にあわせて加工図がまず作成されます。
続いて、加工場で製造された各パーツを現場に運搬し、組み立てを行います。鉄筋コンクリートの建築物の強度に関わる重要な技術となります。

■型枠工事の流れ■

■ 打ち合わせ ■

各現場、、店の担当者と協議の上、建物の規模工程を元に、工事の工法、必要な材料、人員の配置を決めます。

■ 型枠加工図の作成 ■

加工図作成には建物の図面を元に、最近ではCADなどを使用して、型枠の寸法が書かれた加工図を作成します。

■ 型枠加工 ■

加工図を元に、型枠の加工をおこなう。加工図の寸法どおりに切断された合板(ベニヤ板)・角材(桟木)を釘で打ってできた枠(パネル)が型枠になる。

■ 墨出しと台 ■

現場では、まず型枠を建てるために必要な基準線(墨)を出していく。墨は専用の測量器具を使って出していく。次に、型枠を建てる部分の隅にそって台(桟木)を敷いていく。
この桟木が型枠の土台となるため、測量器具を使って水平に高さを合わせ、敷いてコンクリート釘で固定していく。

■ 型枠組立て(建込み) ■

ここから型枠の組立て。先ほど出した墨に沿って型枠を建てていくが、パーツもかなりの量になるため加工図を見ながら各パーツをまっすぐ垂直に組立てていく。
特殊型枠として金網を使用してのラス型枠を施工するケースもある。

■ 締固め ■

組立てた型枠に専用の金具・鉄製角パイプを使って型枠を固めていく。固めることにより、流し込まれるコンクリートの圧力に耐える型枠になる。

■ スラブ(天井・床)貼り ■

スラブとは建物の天井・床のことをいう。部屋ごとに支保工と呼ばれる支え(ポスト・ペコビーム・デッキ)を組み、その上にベニヤを貼っていく。

■ 点検と固め ■

すべての型枠が組終わったら、流し込まれるコンクリートの圧力に耐え、正確な形になるよう各所点検をしながら必要な個所を固めて、コンクリート打設に備える。

■ コンクリート打設 ■

最後の仕上げ。職人たちにより組立てられた型枠に、コンクリートが流し込まれる。
打設後、型枠に変化や動き、不備はないかをもう一度点検していく。

■ 型枠解体 ■

コンクリートが固まり、コンクリートに強度が確認された後、協議の上、型枠を解体する。